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不倫研究サークル

第7章 小梢の過去

「圭君、どうして向こう向いてるの? 笑」

「いや、その、何だか恥ずかしくて……」

「こっち見ても大丈夫だよ」

僕は、恐る恐る振り向く。

と、小梢は服を着て立っている。

(あれ?)

てっきり裸で出てくるものと思っていた僕は拍子抜けしてしまう。


だが、いつまでも惚けてる訳にはいかない。菜美恵は確か、僕にもシャワーを浴びるように促していた。

「僕もシャワー浴びるよ」

「うん、え……と、電気消すね」

僕が浴室の前で服を脱ぎ始めると、小梢は照明を消した。

灯りは浴室から漏れる光だけになり、暗がりの奥で、小梢が服を脱ぐのが見えた。

光と影、僕たちは裸のまま見つめ合う。

「やだ……、あまり見ないで」

こっちからは小梢の裸は良く見えない。しかし、均整の取れたプロポーションは確認できた。

「ご、ゴメン……」と一言かけて、僕はユニットバスへと滑り込んだ。

胸がドキドキして、パンクしそうだった。

熱いシャワーを浴びて気を落ち着かせるが、猛りは治まるどころか勢いを増すばかりだ。

浴室を出ると、小梢はベッドの中にいるようだった。

「真っ暗になるから、こっちの電気はつけたままで良い?」

「うん……」

僕は、暗がりの方へと移動し、小梢の横にもぐりこんだ。

小梢の体温を感じる。柔らかくて、温かい。そして、良い匂いがする。

お互いの呼吸の音が凄く近くに聞こえた。

「そういえば……、わたしたちって、まだキスもしてなかったね」

「そ、そうだったね」

陽菜とは何度もキスをしているが、小梢とはまだだったことに、今更ながら気づく。

「小梢……」

僕は、小梢の上になり、唇を合わせた……。




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