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不倫研究サークル

第7章 小梢の過去

---------- 便箋 1枚目 ----------

雪村小梢様。

この手紙をあなたが読んでいるという事は、私は無事に死ねたのかな。
死ぬのに無事というのも変だけどね。

あなたも知っての通り、私は虐めにあっていました。
でも、私が死ぬのはそれが原因ではありません。

昨日、私は耐えられない程の酷い目に会いました。
とても、この先を生きていけないくらいの辱めを受けたのです。


私は、小学生の頃から虐められていました。

理由は、私が醜いかららしいです。

私も、できれば雪村さんみたいに可愛く生まれたかった。

そんな事を考えても仕方ないのにね……。

だって、私はブスに生まれてきたんですもの。


これまでも、何度も死にたいと思いました。そのくらい虐めは酷かったです。


そんな時でした。彼に会ったのは。


中学一年の遠足、覚えてますか?

海の近くの水族館。小さな水族館でしたね。

そこでも私は男子からからかわれていました。


酷いんですよ私の事を『どんこ』って醜い魚に似ているって言うんだもの。

辛くて、苦しくて……。


でも、その時、彼が庇ってくれたんです。

『醜くなんてないよ、愛嬌のある顔だって』


なんだか、フォローにもなってないけど、私は凄く嬉しかったの。


彼は、森岡圭君。

雪村さんは知ってるかもね、成績は学年一位を争うくらい良かったから。



そして私はその時、初めて恋をしたのです。




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