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不倫研究サークル

第7章 小梢の過去

---------- 便箋 2枚目 ----------

恋をして、私は強くなりました。

どんなに酷い事を言われても、負けないって思えるようになったんです。

それに、私には頑張れる理由もできました。

森岡君が、私に勉強を教えてくれるようになったんです。

どういうつもりで私に勉強を教えたのか、今となっては分かりませんが、きっと、虐められている私の事を可哀そうだと思ってくれたんだと思います。


だから私は、一生懸命に勉強しました。少しでも森岡君の気持ちに応えたかったからです。


何度も、森岡君に気持ちを伝えようと思いました、でも、私はブスだし、気持ちを伝えるなんてできませんでした。


そうこうしているうちに、森岡君は転校していきました。


だけど、そのおかげで私には目標ができたのです。


森岡君は、田舎を出て東京の大学に行くんだと言ってました。

きっと、森岡君なら有名な大学に進学するだろうと私は思っています。

だから、私も頑張って勉強して東京の大学、それもできる限り上位の大学に行こうと決めました。

そうすれば、森岡君にまた会えると思ったのです。


だから、目標があったから頑張れたのに、もう無理です。


こんなことを、友達でもない雪村さんにお願いするのは見当違いだと十分に分かっています。

でも、お願いできるのは雪村さんだけなんです。



東京の大学に行って、森岡君を見つけて、伝えて欲しいんです。


私が森岡君を好きだったことを


私がいっぱい頑張ったことを



雪村さんは頭が良いから、きっと有名な大学に入れると思います。

だから、お願いです。

私の気持ちを届けてください。


もう、この世にいられない、私のために


お願いします。



圭君が好きだって


伝えてください。



     土門華子




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