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不倫研究サークル

第7章 小梢の過去

「わたしが土門さんを殺したのよ!」

感情を抑えきれなくなったのか、小梢が声を荒げて、またもわんわんと泣きわめいた。


僕には、もはや、どうすることもできなかった。





……、

土門さんを襲った連中は、その様子を動画にしてネットにUPしていたの。

だから、直ぐに犯人は補導されて、彼らの証言からわたしも事情聴取されたわ。

その結果、わたしは直接的な関与がなかったという事で軽い処罰で済んだけど、男子は保護観察等の厳しい処分を受けたの。

それから夏休みになり、わたしはその間、謹慎してた。


夏休み明け、二学期が始まったのだけど、クラスにわたしの居場所はなかったわ。

当然よね。


あんな酷い事に加担したんだから。



でも、それからの毎日は地獄だったわ。

クラス全員から無視され、皆がわたしを見る目は、汚いものを見るような目で……、

その時に分かったの。

土門さんが見ていた光景は、きっとこんな風だったのだろうなって。



わたしは土門さんみたいに強くない。

そのうち学校へ行けなくなり……、


いつしか、死にたいと思うようになっていたの。


そして、自殺サイトで知り合った男の人と一緒に死のうという事になって……、


お互いに名前も知らない同士、その人のアパートで自殺を図ったの。



その時、彼がセックスをしたことないっていうから、わたしも初めてだったけど、死ぬ前にしよう……、て。

それで経験したの。


でも、結局、わたしだけが死ねなくて、気が付いた時には病院のベッドの上だったわ。


その人も、わたしが殺したようなものだわ。




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