不倫研究サークル
第7章 小梢の過去
「病院で、先生から遺書と土門さんの日記を受け取ったの」
「わたしに渡してよいものか迷っていたみたいで、でも、わたしが自殺を図ったことで渡すことにしたって」
「これが、その日記」
小梢はバッグからノートを一冊取り出して僕に渡した。
「その日記に、水族館の遠足の日から死ぬ前日までの事が書かれているわ」
僕は、ノートを開いてみた。
中には、一枚の写真……、中学生の僕が写った写真が入っていた。
最初のページを見ると、日付は6年前の遠足の日のものだった。
********************
xxxx年xx月xx日
今日、とても嬉しい事があった。
何時ものように、男子が私に意地悪をしている時、
同級生の森岡圭君が私の事を庇ってくれた。
あまり目立たない人で、これまで話したこともなかったけど、
今まで生きてきた中で一番、嬉しかったかも。
私は単純だ。
森岡君の事がいっぺんで好きになってしまった。
********************
「その日記、圭君の事ばっかり書いてあるの」
「あの遺書に、その日記……、土門さんの代わりにわたしが圭君を見つけよう、て誓ったわ」
僕は、胸が熱くなる思いで聞いていた。もう、口をはさむ余地なんてなかった。
「それから、わたしは学校に復帰して、わき目もふらずに猛勉強したわ」
「高校に入ってからも、毎日、毎日、寝る間も惜しんで勉強して、少しでも良い大学にって、圭君を見つけようって、頑張ったの」
「東京に出てきた時、片っ端から東京中の大学を探すつもりだった」
「それが、まさか同じ大学の同じ学部にいたなんて」
「わたしが、あの時、どんなに興奮したと思う?」
「きっと、土門さんがめぐり合わせてくれたんだと思ったわ」
「わたしに渡してよいものか迷っていたみたいで、でも、わたしが自殺を図ったことで渡すことにしたって」
「これが、その日記」
小梢はバッグからノートを一冊取り出して僕に渡した。
「その日記に、水族館の遠足の日から死ぬ前日までの事が書かれているわ」
僕は、ノートを開いてみた。
中には、一枚の写真……、中学生の僕が写った写真が入っていた。
最初のページを見ると、日付は6年前の遠足の日のものだった。
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xxxx年xx月xx日
今日、とても嬉しい事があった。
何時ものように、男子が私に意地悪をしている時、
同級生の森岡圭君が私の事を庇ってくれた。
あまり目立たない人で、これまで話したこともなかったけど、
今まで生きてきた中で一番、嬉しかったかも。
私は単純だ。
森岡君の事がいっぺんで好きになってしまった。
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「その日記、圭君の事ばっかり書いてあるの」
「あの遺書に、その日記……、土門さんの代わりにわたしが圭君を見つけよう、て誓ったわ」
僕は、胸が熱くなる思いで聞いていた。もう、口をはさむ余地なんてなかった。
「それから、わたしは学校に復帰して、わき目もふらずに猛勉強したわ」
「高校に入ってからも、毎日、毎日、寝る間も惜しんで勉強して、少しでも良い大学にって、圭君を見つけようって、頑張ったの」
「東京に出てきた時、片っ端から東京中の大学を探すつもりだった」
「それが、まさか同じ大学の同じ学部にいたなんて」
「わたしが、あの時、どんなに興奮したと思う?」
「きっと、土門さんがめぐり合わせてくれたんだと思ったわ」