秘蜜のバイト始めました
第1章 え? 聞いてませんが?
「そう来なくちゃ、さ、さ、こっちだよ」
立花に伴われ、私は一番奥の部屋へと入る。
その部屋は、女優の控室となっていた部屋とは違い、広くて立派な作りになっていた。
「ここはね、このホテル唯一のスイートルームなんだよ」
「どう、素敵でしょう」
立花が自慢げに説明する。中にはカメラが三脚に乗せられている、照明が3か所設置されており、釣り竿みたいなものにマイクらしきものがぶら下がっていた。
スタッフだろうか、年配の男性が2人、杏果もいる。
そして、紗栄子の目を引いたのは、紗栄子と同年代とみられる男の子だった。
身長はそれほど高くない。162cmの紗栄子より少し高いくらいか、しかし、すっきりとしたあごのラインに少し愁いを帯びた瞳、まつ毛は長く女の子のようだ。鼻筋も通っている。
いわゆる、イケメンだ。
つい、ガン見する私の視線に気づいたのか、その男の子はぶっきらぼうに言い放った。
「なに、俺の顔に何かついてる?」
(しまった! つい見とれてしまった、が、そんな言い方ないんじゃない?)
「別に、撮影現場が珍しかったからよ、別にアナタを見てたわけじゃないわよ」
(ふん!)とそっぽを向く。(なにさ、ちょっとイケメンだからって、感じ悪い!)
「彼がね~、今日の男優さんで、海野海(うみのかい)くん、上から読んでも海野海、下から読んでも海野海」と立花が紹介してくれた。
「この子は紗栄子ちゃん、今日は見学と言う事で遊びに来てくれたんだ」
「はあ」海は、どうでもよさそうにそっぽを向く。
(なによ! 超絶美少女が目の前にいるのに、それだけ? 反応は)
どうにもムカつくヤツだ。
立花に伴われ、私は一番奥の部屋へと入る。
その部屋は、女優の控室となっていた部屋とは違い、広くて立派な作りになっていた。
「ここはね、このホテル唯一のスイートルームなんだよ」
「どう、素敵でしょう」
立花が自慢げに説明する。中にはカメラが三脚に乗せられている、照明が3か所設置されており、釣り竿みたいなものにマイクらしきものがぶら下がっていた。
スタッフだろうか、年配の男性が2人、杏果もいる。
そして、紗栄子の目を引いたのは、紗栄子と同年代とみられる男の子だった。
身長はそれほど高くない。162cmの紗栄子より少し高いくらいか、しかし、すっきりとしたあごのラインに少し愁いを帯びた瞳、まつ毛は長く女の子のようだ。鼻筋も通っている。
いわゆる、イケメンだ。
つい、ガン見する私の視線に気づいたのか、その男の子はぶっきらぼうに言い放った。
「なに、俺の顔に何かついてる?」
(しまった! つい見とれてしまった、が、そんな言い方ないんじゃない?)
「別に、撮影現場が珍しかったからよ、別にアナタを見てたわけじゃないわよ」
(ふん!)とそっぽを向く。(なにさ、ちょっとイケメンだからって、感じ悪い!)
「彼がね~、今日の男優さんで、海野海(うみのかい)くん、上から読んでも海野海、下から読んでも海野海」と立花が紹介してくれた。
「この子は紗栄子ちゃん、今日は見学と言う事で遊びに来てくれたんだ」
「はあ」海は、どうでもよさそうにそっぽを向く。
(なによ! 超絶美少女が目の前にいるのに、それだけ? 反応は)
どうにもムカつくヤツだ。