悪魔から愛されて
第22章 旅行
旅行2日目は、函館市内など街の観光をすることにした。
歴史を感じる建物や、美しい景色に感動する。
…昨日から少し私の中に変化があった…
…龍崎さんを呼ぶときは“圭吾”と言っていたが、心の中では“龍崎さん”がしっくりしてた…
…でも、これからは“圭吾”と心から言える…
…そんな自分が嬉しく笑みがこぼれる…
私は圭吾に腕を絡ませた…
「…恵美、なんか嬉しそうだね…」
「…うん、ちょっと…いろいろね…」
街を歩いていると、前から白い服装の男性達とすれ違った…
修道院の修道士の方々のようだった。
穏やかな表情で通り過ぎたが…
突然一人の修道士が大きな声を上げた…
「あ…あ…あなたは…まさか…」
圭吾が驚き振り返ると、修道士はブルブルと震えながらナイフのようなものを出した…
「お前は…ルシファー…悪魔の…」
圭吾にナイフを向け、すごい勢いで走ってくる…
…圭吾!!危ない…刺される…
…その時…
…白くふわっとした影が修道士のナイフを押さえた…
恐怖でぎゅっと閉じた目をゆっくり開けてみると…
「…早乙女さん!!」
早乙女さんはナイフを掴み、その手からは血が流れていた…
修道士は早乙女さんを見て、さらに驚いている…
「あ…あなたは…大天使様…ミカエル様の…」
「もう…このようなことは…辞めてください…彼は私たちの敵ですが、私の兄なんです。逆らう前は、神が一番愛した大天使だったんですよ。」
修道士たちは全員、跪いている…
「私は少しだけ力を引き継いでいますが、今は人間です。跪くのは止めてください」
早乙女さんは一人ひとりに手を添えて立ち上がらせた…
早乙女さんは、修道士たちにこの場から去るよう促した。