悪魔から愛されて
第22章 旅行
修道士の方々が去ったあと、私の横で圭吾は力なく膝を着いた…
脇腹を押さえ、血が滲んできている…
早乙女さんのお陰で深くはなさそうだが、刺されていた…
「圭吾!!早乙女さん!!大丈夫ですか…」
恐怖で涙がポロポロと流れ落ちた…
圭吾は片手で私の頬に手を当てて、笑みを浮かべて見せた…
「…早乙女…悪いな…助かった…」
「…龍崎…お前を助けたのは…恵美ちゃんのためだからな…悲しませるな。」
「でも…なぜ…俺たちが函館だってわかったんだ…」
早乙女さんはクスッと笑い
「会社の女性たちの噂を聞いてね…龍崎部長が鈴木さんと北海道旅行だって悲鳴が上がってたぞ…でも、嫌な予感がして…便を調べて追いかけてみたんだ。…間に合って良かったよ…」
私達はホテルに戻り、ホテル在中の医師に手当をしてもらった…
幸い二人とも傷は浅く、大事に至らず…よかった…
「早乙女さん…本当にありがとうございました…」
「恵美ちゃん…大丈夫だよ…悔しいけど、龍崎が居なくなると悲しむだろ…?」
「は…はい…」
「恵美ちゃんが良ければ…俺に乗り換えてもいいけどね…」
早乙女さんが頬にふわっとキスをした…
「早乙女!!離れろ!!」