悪魔から愛されて
第22章 旅行
その日の夜…
二人の傷の出血も止まり、私たちはホテルのレストランで食事をしていた。
「早乙女…でも、なんで俺が狙われるってわかったんだ…」
「…うん。実は俺も以前に、あの修道院の修道士に声かけられて…驚いたんだ。普通の人間には分からないはずなのに…それで嫌な予感がしたんだ。」
「…お前が来てくれなかったら、面倒なことになってただろうな…あの修道士に、手は出したくないんだ…」
二人が真剣に話をしているので、私は少し外の空気を吸いたくて、レストランのバルコニーに出た。
空を見上げると、東京では見ることが出来ない満天の星が輝いている…
すごい…星に手が届きそうって、こういう事なのかも…
私はしばらく空をじっと眺めていた…
突然、私は誰かに口を押えられ、強い力で腕を掴まれた…
「…誰!!」
振り返ると、昼間に会った修道院の人達…?
「…い…いや…たす…け…て」
口を押えられて声がでない…
…圭吾…早乙女さん…助けて…
私はバルコニーからホテルの庭に連れ出されてしまった…
その中の一人が、ナイフのような物を出した…
…私…殺される…
…恐怖で目をぎゅっと閉じた…
その時、明るい光が輝いたことを感じて目を開けた…