悪魔から愛されて
第26章 体調が悪い
数日後…
早速、圭吾は私の両親に会うために、実家に来てくれた…
近くではあるが、仕事等で忙しく実家に戻るのは私も久しぶりだった…
“ピンポーン”
ドアの横にあるチャイムを鳴らすと、中から懐かしい女性の声がした…
…母だ…
「…恵美!おかえりなさい…久しぶりね。」
私は隣にいる圭吾を紹介しようとした時、母はそれを遮るように話し始めた…
「…龍崎さんでしょ…お待ちしてましたよ!恵美から連絡貰って…とてもお会いするのが楽しみでした…とても素敵で驚いたわ…」
母は私たちを優しく笑顔で招きいれてくれた…
懐かしい変わらぬ実家の香がする…
…隣にいる圭吾は、珍しく緊張しているようだ…
いつも冷静な圭吾の顔が引きつっている様子が可笑しく、ブッと吹き出してしまった…。
「…圭吾…そんなに緊張しなくても…」
「笑うな!」
部屋の奥にあるリビングには、父と妹の真美が座っていた…
私達の姿を見るとすぐに立ち上がり、父は丁寧に挨拶した。
妹の真美は、圭吾を見るなり目を丸くして顔を赤くしていた…
「お…お…お姉ちゃん…この方が龍崎さんなの…?」
「…うん。」
「キャー…イケメン過ぎるでしょ…アニメで見る王子様みたい…」
母が妹を黙らせるように、押さえた…
「真美!失礼ですよ…静かにしなさい…」
圭吾はいきなり立ち上がり、頭を下げた。
「…初めまして、龍崎と申します。」
父は笑みを浮かべて、圭吾を真っすぐ見る…
「ご挨拶が遅くなりましたが、恵美さんと結婚させてください。…恵美さんをください…」
父はしばらく目を閉じた…