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悪魔から愛されて

第14章 嫌な予感

…その日の午後…



三枝物産の社長と、役員とみられる男性が会社にやって来た…
健斗とマネージャー、そして龍崎部長が応接室で応対するようだ…


…健斗…大丈夫だよ…きっと…


数時間後、応接室から三枝社長が出て来た…
気のせいか顔色が悪いように見える…
それに続き、役員男性や健斗たちが部屋から出てくる…


三枝物産の社長たちを見送り、健斗達が戻って来た…


マネージャーが私に近寄り声をかけて来た。
「鈴木さん、ちょっといいかな…話がある。」

私を営業部の隅にある打ち合わせコーナーに座らせると
マネージャーと健斗がそこへやって来た。


健斗を近くで見ると、涙が溢れる。


「恵美。全部終わったよ…。」
健斗が微笑んでいる…。

その表情から、良い方向に話が進んだのがわかる。

マネージャーが説明を始めた。
「今回の件は、全て三枝社長に伝えたよ…もちろん動画の件もね…本来ならば警察に言うべきだが、何とか伏せて欲しいと要望があってね…そのまま取引は行う事と、今後は高山君に娘を近づけない事を条件にして来たんだ…」

健斗は大きく頷いた。

「僕は、解ってもらえて、取引もしてくれるなら…許すことにしたんだ…」


…健斗…

私は思わず健斗の胸に抱き着き、顔を埋めた…



“ゴ…ゴ…ゴホン…”
「鈴木さん、ここは会社なので…抱き着くのは後にしてください…」

マネージャーに笑みがこぼれていた。

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