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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第7章 隠しきれないもの

「遅刻なんてしたら…………」

春ちゃんが、布団の外からそう言って、わたしの想像を掻き立てる。
顔も知らないサオトメ先生が、わたしと春ちゃんにガミガミ怒るのを想像したら、居てもたってもいられなくなった。

無言で毛布から出て、春ちゃんが用意した服に手を伸ばす。
その様子をみて、春ちゃんはにこっとわらった。

「着替えたら、すぐ出るよ」

そう言って春ちゃんは、先に玄関に向かって歩いていった。

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