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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第7章 隠しきれないもの

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婦人科の待合室で、優と落ち合う。

「……よく連れ出したな」

優が春ちゃんに、わたしを見ながら驚いたように、小声でそう言った。わたしは初めて来る婦人科が怖くて、あと、サオトメ先生も怖くて、春ちゃんの服の裾をぎゅっと握りしめる。

「まぁ、ちょっとね」

春ちゃんは、にこにこと笑いながら言った。

ちょうどその時、わたしの名前が呼ばれた。
わたし達は3人で、診察室へと入って行った。

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