優しく咲く春 〜先生とわたし〜
第7章 隠しきれないもの
「咲、挨拶」
優に背中をポンっと叩かれて、促される。俯いたまま、「初めまして……」と声を絞り出した。
「ごめんなさい、早乙女先生。咲、どうしても病院嫌いで、連れ出すのに『早乙女先生は怒ると怖いよ』って言っちゃって、少しむくれてます」
春ちゃんが頭をかきながら正直にそう言うと、早乙女先生は笑いながら言った。
「研修医時代のあなた達には厳しかったかもしれないけれど、患者さんには優しいつもりだから、大丈夫よ。来てくれてありがとうね」
早乙女先生は、その場を包み込むように笑う。
「大方のことは、澤北から聞いてるから。今日は、エコーを使って子宮の中に血塊が残ってないか見てみようかな。咲ちゃん、そこのベッドに横になってくれる?」
優しく語りかける口調の先生に、静かに頷くと、素直に横になった。
優に背中をポンっと叩かれて、促される。俯いたまま、「初めまして……」と声を絞り出した。
「ごめんなさい、早乙女先生。咲、どうしても病院嫌いで、連れ出すのに『早乙女先生は怒ると怖いよ』って言っちゃって、少しむくれてます」
春ちゃんが頭をかきながら正直にそう言うと、早乙女先生は笑いながら言った。
「研修医時代のあなた達には厳しかったかもしれないけれど、患者さんには優しいつもりだから、大丈夫よ。来てくれてありがとうね」
早乙女先生は、その場を包み込むように笑う。
「大方のことは、澤北から聞いてるから。今日は、エコーを使って子宮の中に血塊が残ってないか見てみようかな。咲ちゃん、そこのベッドに横になってくれる?」
優しく語りかける口調の先生に、静かに頷くと、素直に横になった。