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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第2章 担任、井田春斗のクラス

「そうか。おにぎり食べる?」

「いいです、申し訳ないので」

井田先生はわたしに、おにぎりを差し出してきたが、わたしは首を振って断る。

「ノート。今朝の分は書けた? 今日の昼食の欄、嘘ついたら許さないぞ〜」

笑いながらそう言って来る目は、さっきとは違う色を含む。
井田先生は、わたしの目を見ながら、再度、おにぎりを持った手を伸ばしてきた。

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