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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第2章 担任、井田春斗のクラス

「あげる、大丈夫、おいしいし。このまま食事もせずに午後の授業に出る生徒は放っておけない。先生は、裏庭にイチゴ育ててるから、足りなかったらそれとって食べる」

「え?! イチゴ?!」

「なに? そっちの方がいいの?」

井田先生は、イタズラに笑う。
わたしはお礼を言いながらおにぎりを受け取る。用意された椅子に座ると、おにぎりを両手で包む。お米のずっしりとした感じが久しぶりで、危うく涙が出そうになって、笑う。

「……あ、いや、イチゴも育てられるんだって、思って」

「僕の手にかかればね。食べなよ、おにぎり」

「いただきます」

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