テキストサイズ

優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第7章 隠しきれないもの

「咲ちゃんの子宮の中にも、血の塊があって。これは昨日、先生たちにやってもらった方法では取り除けないのね。それで」

早乙女先生は、一呼吸置いた。

「咲ちゃんの生理の穴から、機械を入れて、子宮が伸びたり縮んだりするのを助けることで、血の塊を取るっていう治療をしていくよ」

機械を……穴から入れる……??
聞くだけで痛そうな方法に、わたしは首を横に振った。もうそれだけで泣きそうだった。

「咲、早乙女先生は俺の時より痛くないようにしてくれる。大丈夫だ」

優がわたしの頭を優しく撫でる。
優しくされると、ボロボロと涙がこぼれた。

「大丈夫、大丈夫。ちゃんとついてるからね。少しだけ、頑張ろう」

春ちゃんが、震えるわたしの手をぎゅっと握る。

恐る恐る、頷いた。
早乙女先生がそれを確認してから、治療の準備を始めた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ