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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第7章 隠しきれないもの

「お前……!!」

沸点に達して、拳を振り上げそうになったとき、春斗が止めに入った。その春斗の表情も、怒りを隠しきれていなかった。
ここで暴力をふるえば、誰も幸せにならない。
直感的に思って、拳を握りしめたまま下げる。
それを見計らって、母親は言った。

「優。優だって咲のこと、見捨てたでしょ? 離婚するとき、勝手にしろって言ったのよ、あんたは」

母親はそう言って、病院を去っていった。

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