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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第7章 隠しきれないもの

その言葉に、心は深くえぐられた。
咲が、心肺停止の状態になったとき、俺は胸骨圧迫をしながら、心の中で咲に謝り続けていた。

俺が見捨てなければ。俺が父さんと協力して、咲をどうにか保護していたら……。
酷く後悔していた。
あの時は、後悔してもしきれなかった。
見かねた神様が、春斗をあの場にいざなったんだと思う。春斗は咲を、自分の過去と重ねた。

お互い、思い思いの気持ちで、咲のことを助けて……。

助けたから、今がある。

俺はもう、咲を手放せない。いや、手放さない。
俺の意思で、手放さないと決めた。

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