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優しく咲く春 〜先生とわたし〜

第2章 担任、井田春斗のクラス

いちばん難しい約束な気がして、俯いてしまった。食べられなかった日は、生活記録ノートでバレてしまう。多分、井田先生は、嘘書いても通用しない。

「じゃあ……昼休みはここに来ること、これはできそう? 白河さんがお昼を持っていない日は、おにぎりあげるから、僕からそれを受け取って、友だちと昼食を摂ってもいい」

「……良いんですか?」

わたしは顔を上げて先生を見た。
少なくとも、平日の昼は食事が保証される。わたしにとって、とても嬉しいことだ。
学校にさえ来れれば、大丈夫なんだと嬉しくなる。

「うん、約束ね」

井田先生が微笑む。
それと同時に、昼休み終了のチャイムが鳴った。
早く教室に戻らないと、と思い、立ち上がる。

「井田先生、ありがとうございました」

そう言い残して、わたしは保健室から出て行った。

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