無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

急いで部屋に戻って、クローゼットからワンピースを出した。



あまり飾りがついていなくて、少し大人っぽいデザインになっている。



式のためにお団子に結った髪によく似合っていて、その場で一回転してしまった。



私の動きに合わせてふわりと舞うスカート、まだまだだってわかってるけど大人になった気分だった。



「いけない！ 早く支度終わらせないと！」



みんなが待ってくれていたのを思い出して慌てて部屋を出て、階段をおりてリビングにいる家族に声をかけた。



「ごめんなさい。お待たせ」


「あらー、随分オシャレさんじゃない！ 似合ってるわ」


「お前も大人になったものだな。赤ちゃんの頃が昨日のように感じるのにな」




ママはにこにこ。 パパは少し涙ぐんでいるようだった。




敬人はこっちを見ているが、特に話しかけてくる様子はなかった。 ワンピースせっかく着たのに…