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となりのにぃに

第19章 中学1年、高校3年

「3週間くらいで両親は戻ってくるみたいで、俺は荷物がまとまり次第そっちに行くかんじです」

「…そうなの。2年も家でみりかを見てくれて本当にありがとうね。寂しくなるわね」

「こちらこそ、家に置いてくださってありがとうございました」






…わかってた。ずっと一緒に住むことなんてできないって。

少しでも敬人の新居が家の近くであってほしい。





「ね、ねぇ? 新しいお家はどこになるの? 遊びに行くから!」


「隣町だよ。俺の高校も電車で通える距離だから、今まで通りだし助かったよ」


「隣町…。 ママ、遊びに行っていいでしょ?」


「でも電車に乗らなきゃ行けないのよ? あなた1人で電車なんて乗ったことないじゃない」


「練習するから!!」


「みりか、おばさんが困ってるだろ? またおばさんと一緒に遊びに来いよ」







でも、それじゃ敬人になかなか会えなくなっちゃうじゃない…。





「私ももう中学生だし、電車に乗る練習させてよ。乗ったり降りたりしたら連絡するから…」





諦めきれなくて、俯いたままもう一度だけ言ってみた。





「……もう。 出かける前日には必ずママに言うこと。電車の乗り降り、今どこにいるか逐一連絡すること。約束できるわね?」


「!! できる! 約束する!!」


「あなたも頑固になったわね。これも成長なのかしら?」






私が小さな頃から変わらない、困ってもおっとりとした口調で許してもらえた。


ママ、ありがとう…。

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