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となりのにぃに

第19章 中学1年、高校3年

「ただいま、みりか久しぶりだな」



電話を終えて、話しかけてくれた。



「おかえり、そうだね。さっきの電話、敬人のママ? 元気そうだった?」





何気なく聞いただけだったけど、敬人は少し寂しそうに微笑んだ。




「ああ、元気だったよ。ところで、おばさん今いる?」


「ママ? 台所にいると思うよ?」


「そっか…。 話があるんだ。みりかにも聞いてもらいたから、一緒に来てほしいんだけど今大丈夫か?」


「うん…。 大丈夫…」








なんだろう… すごく嫌な感じ、不安な感じがする…






台所で夕食の準備をしていたママに敬人はゆっくりと声をかけた。





「ただいま。ちょっと大事な話があるんですけど、今いいですか?」


「敬人くん、おかえり。大丈夫よ、何かしら?」






ママもいつもより少し真剣な顔をして、私たちはダイニングの椅子に座った。





「突然なんですけど、両親が北海道からこっちに戻ってくることになったんです」





なんだ… いい知らせだった…





「良かったね、敬人!」

「うん…」




敬人はまた、寂しげに微笑んだ。





「じゃあ敬人くんはご両親のところに戻るのよね? いつ頃家を出るの?」




ママの言葉にハッとした。

そうだ…。パパとママが帰ってきたら、当たり前だけど敬人はそっちで一緒に暮らすんだ。

もう一緒には住めないんだ…。

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