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天空のアルカディア

第2章 2人の出会い

ごくっ



老いてはいるが、迫力のある眼光に将軍達は怯む



「御三方、勘違いなされておらぬか?議会などは御三方、我々元老院、王の賛否で決めてはおりますが…」



ドンッ

ハンスは机を叩き、立ち上がった



「王族は我等の物ではない!!」



ハンスの言葉に臆し、気まずそうに目線を泳がせる

(なんと情けない…戦争が終わり100余年、将軍達がこれでは…)

ハンスは心の中で国の未来を心配した








その頃寝室でベッドに座り、目を閉じて考え込んでいる少女がいた


紅く、腰ほどまで長く髪と燃えるような紅い瞳

可愛いというよりは綺麗という部類入る整った顔



名をマリア・キャルロット


第一王女である彼女はまだ16になったばかり



(お父様はもう長くない…アリスはまだ12、子供だ。なら…)



声には出さず、黙々と思想するマリア


微かに陽光に照らされるその姿は神聖な画のようだ



(私が………私がやるしかない。不安だけれど、怖いけれど…私がこの国を…)



少女は決意を固めた



まだ16の少女、その小さな肩に国民という大切で重いものがかかっている




怖くない訳がない
平気な訳がない



瞳をそっと開け、静かな、それでいて確かな足取りで部屋を出て行く

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