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天空のアルカディア

第2章 2人の出会い

エトルリア王宮

城には見えるものの、煌びやかな装飾や華やかな造りではない


エトルリア王族の理念は質素倹約



城も言ってしまえば要塞に近いものだった





エトルリア王宮は極めて深刻な空気を漂わせていた



現国王、アーサー・キャルロットは元々虚弱体質だったのだが、ここ最近は更に酷く、床に伏せていた


医師の見立てでは数日持たないと…



アーサーには2人の娘がいるが、息子はいない




世継ぎがいないのだ



王がいなければ国は不安定になり、他国に攻められる事は当然



元老院(政務に携わる貴族達)の頭目、ハンス・バーンと将軍3名は頭を悩ませていた


「陛下は数日と持たないそうだ…」

「王が不在となれば軍の士気は下がる」

「他国、もとい(バルト)のいい餌ではないか」



仮にも将軍職につく3人は情けない言葉を紡ぐ



「悲観ばかりされるな、まだわしらにはマリア様、アリス様が居られる」


初老のハンスは3人の目を見ながら諭す



「だが、あの御二方は女子だぞ!」


「いや、貴族の優秀な男子を婿入りさせればあるいは…」

「おぉ!その手がありましたな!ハンス殿、めぼしい者の選出をお願いします」



ハンスは勝手に話を進め、盛り上がる将軍達を無言で睨みつけた

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