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NOMAD メガロボクス2

第3章 バシッ

少女は思いきってマッチョに声をかけた。



「…あ、あのっ」



〜ん?といった様子でマッチョは少女のいるほうをふり返る。



「今のあんたかい?」



少女は認可地区の出身だ。未認可地区に来たとバーの人に聞いてはじめて知ったし声をかけるのもそうなので緊張しまくる。



「…さっきのギターわりとよかったから…」



こんなセリフマッチョの顔を見れないぐらいにこっ恥ずかしいが。



「ああ、どうもな」



「…あとあなたの試合観に行く…」



言わないと自分の言いたいことが相手に伝わらない。だからマッチョに言った。



「〜そうかい?あんたみたいなカワイイ子ならうれしいぜ」


…わたしが…?カワイイ…!?



「…そ、そうなの…?」



そう言われてつい口に出した少女はほんとうに意外だと言いたげに片手でほおをおさえる。



「…オレはそう思うが…?」



不思議に思いマッチョは聞き返す。



(たいていの女はカワイイって言うと喜ぶけどな…)



「…あまり言われたことなくて…」



少女がそう言うあたりコンプレックスがありそうだ。気を引くためのそぶりではなさそうにマッチョには思えた。



「ま、試合楽しんでってくれよ、じゃあな」



「あっはいっ!」



変わった娘の相手もそろそろ切り上げたいだろう。そう思ったらしくマッチョは別れのあいさつをした。



(〜なんかつけたほうがいいのかも…)



そう少女はふと思いたつと近くのドラッグストアでピンク系とクリアレッド系のリップグロスを唇にそれぞれ塗ってみた。売場の鏡に口もとをうつすと保湿効果と適度に色と光沢がついた唇が鏡にうつるのがなんだか気に入った。なので手鏡もグロスとあわせて買った。



そして試合が開催される闘技場ドランク・モンクに行きマッチョがチーフという選手とわかり観戦するためのチケットを買い観客席に座ってる。



(……わたしより小さい子もいるけどいいのかな…)


自分は15才だし違法扱いされないかと不安になりかけたが小学生ぐらいの子どもたちが数人いる。だが保護者らしい大人と来てるしそうはならないらしいことにひと安心した。



子どもたちも思い思いの声で応援したい選手の登場を今か今かと待ち望んでる。


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