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NOMAD メガロボクス2

第4章 ガシッ

「なら朝までどっかで時間つぶせよ。その頃には頭冷えてんだろ」



のべもなくチーフは冷たく強情な娘に言い捨てる。



(こんな火であぶったような黒コゲオヤジ待ってたなんてっオレの時間返せこんのお〜)



とだんだんイラついてきたしでブツくさ思うが。試合をこなすようなマッチョを怒らせてもいいことないにきまってるし。チーフのいるほうとは反対のほうを向いて駐車場の出口に向かって歩きだした。



(お、コイツマジで行くとこねえのか?)



そう思ったチーフは少女に



「おいっ、あんた」



と呼び止めた。相変わらず少女は聞く耳を持たずに歩き続けてる。ただ背が小さい少女の歩幅では見失うほどの距離は進めてない。チーフが数歩歩いても少女の前にじきに追いつけるほどだ。



「おい待てって…」



あらためて顔を見ると少女がなにさコイツと言わんばかりの表情でチーフをにらんでる。



「フンなんだよ、オッサン」



肩の肉でも食いちぎりたそうな顔つきでチーフを見上げてる少女はたてつくように言った。



(えらいほえづらだな、そんなくやしいのかよ)



とふとチーフは思った。



「行くぞ」



とチーフはなかば閉口したように少女に言う。白くて小さな手にちょっとだけふれてみるとやっぱりこの寒さでだいぶ冷たくなってる。


「な、なんで…?」



少女の本音にちがいない、まさかこうなるとまではさすがに思ってなかっただけにだ。



「早くしろ」



女の扱いに慣れてないようで照れくさいのかもしれない。手をはなして少女の顔から思わず目線をはずす。



チーフは少し離れて歩いてふりかえると少女が全力で走ってきてるので軽く息切れしてるのが見える。



だが車の前まで来ても下のほうを見てまだついてくのかどうかと考えこんでるようだった。



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