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NOMAD メガロボクス2

第7章 バキッ

一方でジョーとチーフはより良い戦いかたはないかと話しあってる。



「トーナメントは全部で3試合…ジョーならどう戦う?」



「ダメージを最小限におさえる。決勝戦までいけたとしてもボロボロの体じゃあ勝負にならねえしな。ひたすらディフェンスで固めて相手に打たせる。相手がへばったところで……」



「………」



「すきを見てカウンターだ」



「………!!」



ジョーにはたやすくてもチーフにとっては難しいやり方なのかもしれない。だから思わず息を飲む。



「そうだ、距離を見あやまるなっ」



ジムのリングにつくとジョーは練習用の黒の革製ミットを手にはめてチーフに技のコツを教える。



「ずいぶん入れこんでるじゃねえか」


ジョーはだれだか知ってる人らしい声がしたような気がした。



「一緒に戦ってるつもりか、昔みてえによ」



「〜〜〜……!?…」



サングラスをかけた年配なオヤジらしい男がジョーに語りかけてくる。その直後にリングでスパーリングのまっ最中にジョーがふらっと倒れた。



「……っ…」



「あっ!おい大丈夫かよ!?」


チーフはジョーに声をかけるが。さっきまで元気だったのが急によろけたのだからあわてるにきまってる。



「あちゃ〜…おい、たのむっ!」



チーフが会長にジョーを運ぶ手伝いを呼びかける。



「…まだ薬の後遺症か…」


チーフが思わずジョーについて会長にもらす。



「…ボクサーにとっちゃ珍しくないからなあ…」



会長も若い頃はメガロボクサーだったらしく他人事じゃないのだろう。



それから2時間ほどたったろうか。チーフの家のベッドでジョーが目をさます。



「………はっ…」



寝室らしくそばにはチーフが椅子に座ってジョーの容態を見てくれてる。



「よお、起きたかおどろいたぜ」



「……ここは…?」



「オレの家だよ、体は大丈夫か?」



「……頭が痛い…」



まだつらそうに頭に手をあてるジョー。



「オレの故郷に伝わる痛みにきくハーブティーでも飲むか?」


チーフはそう言ってキッチンに立つとお茶を入れようと水を入れたやかんをガスコンロの火にかけた。



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