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NOMAD メガロボクス2

第7章 バキッ

ロープぎわの魔術師と異名をとったこのメデル選手はクロス・カウンターという技を武器にかつての日本ボクシング界のエース、関光徳(みつのり)やファイティング原田の両選手を血祭りにあげた。



相打ちの威力を誇るこの必殺技は相手が全力でパンチを打ち込んでくる。その腕に十字型にクロス、交差させて同時に自分も打ち返す。



ただでさえカウンター・パンチは相手の勢いづいた出鼻を打つだけに相手の突進プラス自分のパンチ力…と威力は倍増する。



ましてやクロスさせた場合相手の腕の上を交差した自分の腕がすべり必然的にテコの作用を果たす。



その結果パンチの破壊力は3倍どころか4倍の威力を生み出すそう。ましてやあしたのジョーの主人公ジョー(本名は矢吹丈やぶきじょう)はロープの反動まで利用した。



このパンチをジョーは少年院時代でのボクシング試合に使ったのだ。彼の因縁のライバル力石(りきいし)もお互い同時に同じクロス・カウンターをくり出したのでお互いに急所を直撃したらしく両者ともに気絶した。



それがメデルの試合の場合では関も原田も圧倒的優勢だったので油断しきってたろう。だがそこからがメデルの本領が発揮されるのだ。


なぜかといえばクロス・カウンターの破壊力のうえにロープの反動を利用した必殺パンチの攻撃力はもはや殺人凶器そのものになりうるからだ。メデルを



(チビで弱くてチョロいヤツ)



と勝手に決めこみ思いのままに叩きまくりロープぎわに彼を追いこんだせつなに関も原田もその魔術師の一撃を浴び、ただの一発でこんこんとマットに眠ったそう…。



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