テキストサイズ

NOMAD メガロボクス2

第7章 バキッ

チーフはハーブティーを飲みおえるとどこかに出かけていった。ぼんやりとハーブティーをながめてるとマーラがチーフの家のリビングにやってきた。



「チーフにたのまれてね」



どうやらジョーの食事を持ってきてくれるようにチーフに言われたらしい。



「食べないともたないよ」


食事に手をつけないジョーにマーラはすすめるが



「悪いが入らないんだ」



そう言うジョーにマーラは



「なら飲み物だけでも…」


病み上がりのジョーを心配して言ってくれてる。



「そのぐらいなら…」



スープのうわずみだけでもきついようでジョーはハーブティーを手にとる。



「あのね、チーフには妻子がいたんだ」



さびしげにマーラが椅子に座ると言いにくそうに切り出した。だれかに聞いてほしそうだ。



(………そうだったのか…)


「チーフの息子カルロが生きてればミオと同じぐらいの年ごろだった……」



同じ故郷の仲間でそれぞれの事情がわかるからこそよけいに言いにくいのかもしれない。



「病気がわかってね、妻のミラージュはとっくの先に逝っちまったし……」



重い話だからこそマーラは他人に話して気が楽になりたいのかもしれない。



「ミラ(以下ミラージュの略)は村いちばんの美人で言い寄る男も多かった…」



マーラによると近隣の街や村からもミラにプロポーズやアプローチしてくるヤツはたくさんいたそう。



だがミラは幼なじみのチーフしか相手にしなかった。そしてふたりの仲を故郷の家族や昔なじみなどのみんなに認めてもらい、晴れて夫婦になれたのだ。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ