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NOMAD メガロボクス2

第2章 ビシッ

ジョーの憤る声に驚いたのはチーフだけではなかった。彼の車の助手席にはもう1人15才ぐらいのダークブラウンのロングヘアーの少女が座ってる。


だがジョーの怒りっぷりにびっくりして思わず車から飛び出して2人の男たちを見る。



まだ30歳ぐらいのジョーは曲がったことが嫌いなようだ。チーフはかませ犬な役でも受け入れてるのだ。あとで納得いかないと言われても


「あのくらい盛りあげるには仕方ないだろう」



チーフにしても本音はそんな役なんかまっぴらだが試合に出たければわりきるほかにないのだ。



(これでおさまったかよ、ったく…)



ジョーをなだめられたかと思い車に乗ろうとするがさらに



「イカサマなんかで勝ちたかねえよ!」



聞きいれないジョーはメガロボクスへの姿勢にこだわり試合の結果に満足してない。



「まだだ、かかってこいよ」


なおさら言いはるあたりがかつて勇利と死闘を行ったギアレスジョーとしてその名を馳せた男のゆえんなのだろう。ファイティングポーズを構えはじめた。



ふだんはわりかし温厚なチーフもたてつかれてさすがに頭にきたにちがいない。怒るにしても感情的にわめかないで口より先に手が出るタイプだが。



それでもゴネ男がしぶとく食い下がるのでシメたくなったのだろう。チーフは上半身をかがめるとわきをひきしめて殴るためのポーズをかまえるとジョーに対して



(おまえのパターンはさっき(試合)ので見きってんだよっ!)



と思ったことだろう。すきを見て腹に勢いよく右フック(腕をJの字のように曲げて殴る)をおみまいするとジョーは思わず唾液を吐いてヨロめいた。


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