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NOMAD メガロボクス2

第2章 ビシッ

チーフの車のなかにいた少女は思いもよらず出くわしたケンカがはじまってしまいビビるしで左手で口をおさえて立ちつくし2人を見すえるしかない。



さらにとどめのパンチをくらわせるためにチーフはジョーの斜めわきにフットワークを使い近よる。



今度はジョーの反応のほうが早くチーフにフックを喰らわせた。ほんとうは勝たせる役なんて誰でもイヤに決まってるし体に防具じみたギアなんかつけずに外して試合したいだろう。…理想では。


だがボクサーも交渉役やセコンドが必要だ。ギアも選手それぞれの体格や特徴に合わせたものにカスタマイズしたり、使い続けるためのメンテナンスもそれなりの費用や手間がかかる。



おまけにそれが壊れればただのボクサーでしかなくなる。それではおなじみすぎていまどきの客の気はひけない。



場末の地下のリングで行う非合法な掛け試合とはいえ、いみじくもメガロボクスと宣伝してる以上はなんらかの目玉が必要不可欠だろう。



チーフはジョーより10才ほど年上だろうか。若者が多いボクサーの世界で現役であり続けるのはかなり厳しいだろう。



それでも彼なりの理由でメガロボクサーを続けてるにちがいない。だがそれを



(目の前のチンピラなんぞにいちいち言ってられっかよッ)


そのぐらいジョーがうざったくねばるので頭に血がのぼらされたのだ。シメたくもなるだろう。



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