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無人島行ってみた話

第2章 集合、上陸

だいたい、山や森に入ると、一度はクモの巣が顔にかかってくるものだが、まったくかからぬまま、緑を楽しみながら散策。

途中、真由美さんと安藤に出会う。

割れた瓦みたいなものを使って、土に穴を掘っている。

「自然薯でもあった?」と聞くと、真由美さんは「あったけど、掘るのが大変やから諦めた」とのこと。無人島に自然薯あるんやな。

二人が取ってるのは、ミミズだった。

たぶん、釣りの餌に使うのだろう。

安藤は言う。

「くる途中、むっちゃクモの巣多かったやろ」

むしろ少なくて歩きやすかった。あ、こいつが全部顔で集めてくれたんだな。

安藤は耳に顔を近づけ、コソコソと、「あの人ヤバいぞ。クモ見付けて、これ食べれるって、足ちぎってクモの巣ごと食いよった」

後から聞いたことだが、種類によっては、クモはそのままでも食えるらしい。また、クモの巣もタンパク質が含まれていて食べられるそうだ。だが、古いものではなく、実際にクモがいて、粘っこい新しいクモの巣の方がいいらしい。

まさか、ほんまに食べる人がいるなんて思わなかった。と同時に……、

「ミミズ?」

まさか、昼飯に出るんじゃなかろうかという不安もあった。

「玄武はどこいくん?」と安藤。

「いや、水当番やから、川を探しに……」

すると、真由美さんが答えた。

「ここ道沿いに上がったら、岩場があるわ。越えたら川が流れてるで」

「ほんまてすか。ありがとうございます」

なんか、今で言う3時のヒロイン的な明るさの女性で、やってることはベアグリルスというギャップが楽しい。

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