悪魔と天使とお嬢様
第1章 突然変わる日常
「お母さん、行ってきます!」
いつも通りの朝、靴を履きながら私は母に声を掛けた。
すると父と母が慌てたように珍しく玄関に見送りに来た。
「…恵美、身体には気を付けてね…何かあればお母さんに連絡してね…」
「------っは?」
父は少し悲しい顔で、私を抱き寄せた。
「お父さんは…いつも恵美を心配しているからな…」
「-------なに?二人ともどうかしているよ?…遅刻しちゃうから、もう学校行くね…」
いつも通りの朝なのに、その日の両親はなぜかいつもと違った…
少し胸騒ぎのような、もやもやした気持ちだったが学校へと向かった。
“まるで、もう会えないみたい…変なの…どうしたんだろう?”
時計を見ると、遅刻ギリギリに時間だ。
私は全速力で学校に急いだ。
学校の校門が見えて、ラストスパートをかけた
その時!!
突然、誰かが行く手を阻むように目の前に立った。
“…危ない!ぶつかる!!”