悪魔と天使とお嬢様
第2章 美形二人の秘密
校門を出ると、龍崎と早乙女が車の前に立っていた。
横を通る女子高生は、二人を見てキャーキャー言っている。
(ねぇねぇどっちが好み?私は優しそうな右側かな…)
(え---私は大人の色気って感じの左の男がいい!!)
女子高生達は二人のことで夢中になっていた。
“…あれだけ整っているイケメンだからしょうがないけど…目立ちすぎて恥ずかしいよ…”
「…恵美様、お帰りなさいませ…」
龍崎が私の手を取り軽く跪くと、回りから悲鳴が聞こえるほどだった。
「高校生は、皆さんお元気ですね…驚きました…」
龍崎はこの状況をよく理解していないようだ…
「それは、龍崎さん達が…その…イケメンだからじゃないですか?」
「…ほう…私達もまだまだいけますかね?」
「…お二人とも…ご自身のこと分ってますか?」
私は少し怒った様に車から外を見た…
自分でも何を怒っているのか分からない…
早乙女がクスッと笑いながら私の手を握った。
「…恵美様、もしかしたら…妬いていらっしゃるのでは?」
「----はぁ?そ---そんなこと---ありませんよ。」
「ご心配は無用ですよ。私たちは恵美様が一番ですから…」
早乙女に言われると、顔がまた赤くなるのが分かる。
恥ずかしくなり俯いてしまった。
「…恵美様は本当に可愛いですね…」
早乙女はそう言いながら、私の顎を優しく引き上げると頬にチュッと音をさせて口づけた。
もう心臓が爆発寸前とはこのことだと思うほどだった。