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悪魔と天使とお嬢様

第3章 龍崎と大人のキス


嫌な感じは、全くない。むしろもっと欲しいとも思ってしまう…

龍崎の舌が私の上顎をスルリと舐めると、ゾクッとした感覚が走る。

ピクッと動いた私を龍崎は見逃さず、同じ部分を何度も舌が刺激する。


「…う…ん…ん…ん」


私は無意識に龍崎の首に腕をまわしていた。
それに応えるように、龍崎は私を片腕で抱き締め、もう片方の手で後頭部を優しく支えてくれた。


少し慣れてきたころに、龍崎の舌が私の舌を誘うように巻き付いて来た。

私はぎこちない動きだと思うが、その動きに応えるように舌を動かした…


“…クチュ…クチュ…クチュ…”
二人の唾液が混ざる音が部屋に響いている。


その音があまりにも厭らしく感じて、頭がボーっとしてきた。


「…恵美様…舌を出してください…」


耳元で甘く囁く声に、催眠術のように素直に従う。

出した舌を優しく龍崎が咥えて吸い付くと、私の舌が龍崎の中に招き入れられた…

龍崎の口の中で、舌が愛撫を受けているようだ…



“…なんだろう…すごくふわふわする…気持ち良すぎる…”



私の口角から二人の唾液がまざりツーっと流れた…

本来は味がないであろう龍崎の唾液は、甘く美味しく、まさに甘露とはこういう味なのかと思うほどだった。

ゆっくりと唇が離れたとき、恐らく私は溶けすぎて、だらしない顔だったと思う…


「…恵美様、大丈夫ですか?」

龍崎が親指で口の回りを拭き取るようにしてくれる。

ハッと我に返った私はすごく恥ずかしくなって俯いた。

「だ…だ…大丈夫です…」

龍崎はクスッと笑いながら私の頭を撫でてくれた。

「恵美様、とてもお上手でしたよ…今日はこのくらいにしておきましょうね…」



龍崎は私をいきなりお姫様抱っこすると、ベッドに運んだ。

優しく布団を掛けてくれて、微笑んだ。



「…お疲れでしょう…ごゆっくりお休みください…」



龍崎が部屋を出た後、私は枕に顔を埋めて叫びたい気持ちをなんとか押さえた…

心臓はまだドクドクと激しく鳴っている…

“…どうしよう…寝られそうもない…でも…気持ち良くて死にそうだった…”






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