悪魔と天使とお嬢様
第1章 突然変わる日常
その後、龍崎と早乙女は私の部屋へと案内してくれた。
「恵美様、こちらがお嬢様のお部屋でございます。一応必要と思われるものは用意致しましたが、足りないものがございましたら、私どもにお申し付けください。」
私は気になっていたことを、二人に尋ねた。
「あ…あの…この部屋は、恵お嬢様がお使いだった部屋ですか?」
「いいえ。恵様の部屋は奥様がそのままにするように…とのことですので鍵を掛けてそのままになっております。」
「鍵がかかっているということは、入ることは無理ですね…」
「はい。申し訳ございません。」
私は、恵お嬢様のことをもっと知りたかった。
同じ顔の双子の姉妹…会いたかった…
早乙女さんが優しい笑顔を向けて…
「恵美様、そろそろお腹が空きませんか?いろいろな事でお疲れと思いますので、お部屋に昼食をお持ち致しましょうか?」
気づけば、もう12時を過ぎており、お腹も空いていた。
「早乙女さん、お願いできますか?」
「はい。畏まりました。それと…私達に敬語も“さん”も不要です。龍崎、早乙女とお呼びください。」
早乙女はニコッと微笑むと昼食の用意に部屋を出た。