悪魔と天使とお嬢様
第1章 突然変わる日常
龍崎は私の着替えを済ませると、静かに部屋を出た。
一人になり落ち着くと、いろいろな事が起こりすぎて、頭がパニックになっていたが、寂しさや不安で涙が溢れ出してきた。
今思えば、朝の両親の態度は納得できる。
この家に連れて来られることを、知っていたのだ。
“家に帰りたい…でも、あの家は私の家では無かった…
優しいお父さんもお母さんも…本当の両親じゃなかった…
…こんな事…知りたくなかった…
いろいろと考えているうちに、ますます不安がいっぱいになる…
“そうだ…高校卒業まではあと少しだけど、学校はどうなるのだろう…それに、この春から女子大生になるはずだったのに…”
暫くすると、部屋をノックする音がした…
“トン、トン、トン”
「恵美様、ご昼食をお持ち致しました。」