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平和な時間と幸せな時間

第1章 朝の時間

ルドルフ「で、アルトよ。 アイツはどこ行った?」
アルト「え?……いや…だから、アイツって誰だよ」
ルドルフ「ラスティ」
アルト「ラスティ?」

あれ?
ラスティ、もしかしてルドルフのこと…許してくれたのか?

ルドルフ「買い出し担当が決まるくじ引きをやったら、ラスティと一緒になった。 ずっと探してるんだが、どこにもいないんだ」
アルト「はぁ…?」

ラスティの奴、何してるんだよ。

アルト「探してくるよ」
ルドルフ「すまんな…」

食堂室に行っても、作戦室に行っても、部屋に行っても、どこにもいなかった。
外か?
騎士団兵舎から出るとラスティがいた。
ラスティは何かを探すみたいに歩いていた。

アルト「ラスティ、何してるんだよ」
ラスティ「ルドルフを探してる」
アルト「え?」
ラスティ「皆で買い出し担当のくじ引きをしたら、ルドルフだったから『外で待ってる』って言ったのに……待っても来ない。………先に行っちまったのかね…」

おいおい…嘘だろ……。
『外で待ってる』って言われてるじゃねーかよ!

アルト「ルドルフなら見かけたから連れてくる」
ラスティ「お、ありがとな」

そうだ。
少しだけ…。

アルト「ラスティ、ルドルフのこと……もう許したのか?」
ラスティ「今は、な。……最初許さなかった。 でも、モルディがさ………なんかルドルフと話してる所を何度も見かけて……いいなぁって思う様になってさ………気が付いたら、ルドルフと話すの楽しくなったんだ」
アルト「そうか。……良かったな」

ルドルフの所に戻る。

ルドルフ「見つけたか?」
アルト「なぁ………くじ引きした後、ラスティに何か言われなかったか?」
ルドルフ「いや、何も」
アルト「『外で待ってる』って言ったみたいでずっと待ってるぞ」
ルドルフ「な、なんだと?! それは聞いてなかった!」
アルト「逆になんで聞いてなかったのか気になる」
ルドルフ「いや~……ちょっとな………浮かれてたからだ。 久しぶりに、ラスティと出掛けるからな」

浮かれてて聞いてなかったのか。
………浮かれてたから聞こえてなかったんじゃないのか?

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