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仔犬のすてっぷ

第21章 奈落の裏では



・・・・・

「・・・と、言うわけなのよ♪」


だああ〜〜ぁっ!と、その場にいた全員がズッコケた。


「まぁだ、なぁ〜んにも話して無いですっ!」


 いつもは冷静なカリームが、コケた拍子にテーブルの上にあったティーカップに頭をぶつけてしまい……ぶつけたところを痛そうに擦りながら声を上げた。


「い…今のは・・・油断してた……
俺なんか……テーブルの角…頭……ぶつけちまった……いっっちいぃ〜…!」


潤は痛さのあまり、しゃがみ込んだままぶつけた所を押さえながら悶絶している。


「なかなか無い、シリアスモード中に…これですか………なかなかにキツイな……」

 コケたあと、その勢いで転がってしまったアキラは、うつ伏せの状態から起き上がろうと片腕を立てながら苦笑いする。
思いの外ダメージが大きかったのか、立とうとする腕がぷるぷる震えていた。


「オーナーのは突発的に来るからな〜〜…下手な打撃を受けるより効くぜ・・・」

 蒼空もはテーブルにべったーん!と豪快に倒れた後なので、倒れた際にぶつけた顔が赤くなってしまっていた。
身体を起こす両腕に力が入らず、ぷるぷると震えてしまっている。


「1番慣れているはずの俺でもこれかぁ〜…尻もちついちまうなんて……俺ってカッコ悪りぃ…」

思わずディオ森川に戻ってしまうほど、この人もダメージは受けた様である。


「ごめんね〜☆元々シリアスは苦手なのよ〜」

クスクスと笑いながら、幸はあっけらかんとして話した。


「それに…やっぱり蒼空の言う通り、プライベートで、プライバシーにまで関わっちゃう話だから……サービスするの、ちょ〜っち迷っちゃった♡」

「どっかの女性指揮官みたいな声出して誤魔化しながら逃げるのは無しですよ?皆がダメージ受けちゃったんですから」

アキラが立ち上がって体のホコリをパンパンと払い落としながら釘を刺す。


「分かってるわよお♡今度はちゃんと話すから。ただ、話せない部分は端折るけど…それでいい?」


 そう言うと、幸は自分の分かる範囲での彼らの経緯を話しだした。



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