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仔犬のすてっぷ

第21章 奈落の裏では


「小5で初体験・・・」
「年上の女性と複数プレイ・・・」
「優希は、受け身体質・・・」
「「「若い頃のオーナーと、イチャイチャ・・・」」」

森川店長と蒼空以外の三人は、皆声を揃えて幸を見て力強く言葉を出した。


「「「う………羨ましいっ!」」」


 今度は幸が、よろけてテーブルに手をついて、ズッコケるのを何とか踏み止まる。


「お前らぁ…話の焦点はそこじゃねえだろ?」

蒼空は呆れ顔で3人を見ながら溜息をついた。


「・・・そうはいいますが、僕達だって健全な男子ですからね。多少なりともそう感じでもしかたありませんよ…」

「カリーム・・・お前が1番不健全そうだぞ」

 鼻血を出しながら冷静な顔で語るカリーム王子様に、蒼空が冷ややかなツッコミを入れる。
爽やかな某キャラクターになまじ似ている分、鼻血が余計に邪に見えてしまうアクセントとなっていた。


「いいなあ…俺も若い頃のオーナーとしてみたかったぜ……」

「・・・それは、どういう意味かしら?関根潤くん??」


 ぽつりと何気なく言った一言が、他人の地雷を踏む事はある。
今、潤はまさに幸の地雷を踏む一歩前に居た。


「《若い頃の》わたしと、して、みたい??」
「……え?あ、いや、その、つ、つまり……」

急速に拡大、膨張する何かの圧力にタジタジになり、後退りしながら潤は言葉を選び直す。


「いや、だって…今、オーナーはモリリンがいる訳だし、絶対にやらせてなんてもらえな・・・」
「あら?そんな事??大丈夫よ、それなら。
今はモリリンと付き合ってる訳じゃ無いし、いつでも相手してあげるけど?」

「え?♡ま、まじ?」

 何とか地雷は回避したらしく、幸が上機嫌な時にする仕草……自分のほっぺたを人差し指で、つん☆とつつきながらウインクを飛ばしたのを見た潤は、ゴクリと唾を飲み込んだ。


「やめとけやめとけ。
今のコイツとしたら精魂尽きるまで搾り取られて、しばらく勃起出来なくなって女性が抱けなくなっちまうのがオチだ」

森川店長が苦笑いしながら潤の背中をぽむっと叩く。



「・・・失礼ね。人をサキュバス扱いしないでもらえる?」



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