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仔犬のすてっぷ

第22章 Played Fight a Waltz Steps


「……想定人数、何人だったっけ?」

「……約30人です」

「何人倒した?」

「これでッ!」

ーー バキイィッ!
首筋に湾曲した内側の峰をぶち当て、一人を地面に転がしたカリームは

「…6人目です」

「俺が5人倒したから……11人…かあっ!」

警棒を脛のプロテクターで受け止め、相手の動きが止まったところへ逆の足を頭の側面に叩き込みダウンさせた蒼空は、ふうっ…と肩で息をしながらカリームの方を向いた。

「今ので…12人目……か。雑魚でもコイツら…少し手応えが…あるぜ?」

「そうですね……あれ?もう息が上がってるんですか?」

「……うるせー!お前こそ、汗ダクじゃねーか」

「ニッポンの夏は、湿度が高い。その所為な、だけですよ」

 彼らは日頃から訓練で体を動かしているが、やはり実戦となると体力の消耗量は違う。
突入からそろそろ20分。訓練で休憩無しで組手を1時間ぶっ通しでしたのと変わらない程には体力を消耗していた。

「森川さんが3人、潤とアキラが4人倒して来たたなら全部で19人……中のメインが3人居るわけだからあと雑魚は8人……」

「ぐわっ!」「キサマら…げはあ!」

二人が居る場所から少し離れた場所から2つの悲鳴が上がった。


「……どうやら彼らも来た…ようですね」

カリームが声の聞こえた方を見て、少し息をついた。


「遅いぞお前ら。何してた?」

「配置が少しだけ変わっていてな……2人余分に倒して来た」

「うるさいのはオマエだ!俺達は、俺達の仕事して来たんだからなッ!」

アキラが事の経緯を話す横で、潤はいつものように蒼空に絡む。


「・・・すっかり何処かのアニメキャラに染まってんな〜…。エレキバースト(ライトニング・フィンガー)は何回使ったよ?」

「まだ、1回だけだっ!あと4発使えるっ!」

「頼むぜ?あのトーマスのおっさん倒すのに必要かもしれないからな?」



「・・・・・どうやら…そうも言ってられないかもしれませんよ?」

彼等の前に、痩せの小男と山のような大男が歩いて来る。

……その異様な雰囲気を即座に感じたカリームが小さく呟いた。


「気をつけて下さい。アレはヤバそうです……」



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