テキストサイズ

仔犬のすてっぷ

第28章 仔犬達の・・・ 


・・・・・・・・・

何かが焼ける、ニオイ?

何かの、爆発音??


色々な破裂音が辺から途切れることが無い空間。



そのなかで

ナイフを構えた外国人が

低い姿勢から鋭い視線をこちらへ飛ばして

涙を流し、何かを叫ぶ



伝わってくる恐怖と戸惑い


こちらには手持ちの武器が無く

素手のまま、何かを叫ぶ



「我が、友 よ・・・」

確かに、そう言っているのが伝わって来て…



戸惑いは、悲しみに

悲しみは、怒りへ変わり



迫る人影の攻撃を避け

人影の腹部を殴り、肉が潰れる感触が伝わる


それでも人影はナイフを振りかざし

こちらはその顔面へ重い拳をぶつけ、振り抜いて

相手の骨が砕ける感触と、色々な痛みが体中に走る



倒れた影の上に馬乗りになり

さらに相手の顔面を左右交互に拳を叩きつけ


骨が砕けるる嫌な感触と

肉を潰す肌がよだつ感触と

相手を壊す悲しみと

自分の拳と心の悲鳴が体の中で共鳴して



どの感情にも属さない激しい雄叫びを上げ




誰も気に留める事の無い慟哭は、周りの破裂音にかき消されて、消えていく・・・





視線が動き

その先には同じ制服を着た仲間が

涙を流しながら一点を見つめていて

視線はそこへ歩み寄る



そこには

制服ではない、普通の服を着た女性らしき人が



白い布を顔に被せられて横たわっていた





その、白い布をそっと上げると


上げると



あげると







そんな・・・

そんな、事が…あるわけ、無い。





その女性は






・・・・・・。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ