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仔犬のすてっぷ

第28章 仔犬達の・・・ 


・・・ち、ちょっとおっ!!

は、恥ずかし過ぎるっ!
ここからは、ヤバいですっ!!

……とか慌てていると、周りの靄がピンク色に変わり始めた。


『優希ぃ・・・俺、すんごく恥ずかしいんだけれども………俺、こんな顔してお前に迫っているのかあ?!』

僕からは視えてないけど、なんか恥ずかしい蒼空の顔が彼に見えちゃっているらしい。


(……僕からは君が何を見ているのか分からないんだけど……)

『こっ…こそばゆ過ぎるっ!何だこのキラキラ光る少女漫画的イケメンはっ?!こんなの俺ぢゃねえ!』
(……僕…そんな風に君を美化した覚えは無いんだけども…(汗)僕が君に抱くとしたら・・・)
『……だあ〜〜っ?!なんじゃ、このだらしない顔してるやつわっ?!鼻血出しながら鼻の下のばしてヨダレたらしてやがるぞっ??!』

(…ああ。それそれ☆欲しかった君の反応は)


・・・どうやら、正常な映像が受信されたようだ(笑)


『・・・てか、これ、なんなんだよ?』

(僕にもよくは解らないけど、多分何か……二人の意識が混ざっているみたい……)


………よく分からないけど・・・でも、作戦を練るチャンスだ。

(この状態がいつまで続くか分からないから要件を伝えるよ?
このままだとトーマスには勝てないのは解るよね?)

『……意表を突くしか無いってのは俺も分かるが……しかし、どうやって?
このオッサン……多分心臓に毛が生えてるぜ?
余程じゃ無ければ動揺しないぞ?』

(・・・ひとつだけ、ある……けど………気が進まないなぁ……)
『なんだよ?あるならこの際それで行くぜ?』


僕は、思い付いた作戦を断片的に思い描きながら話を進めた。


(……まず、一時的にトーマスの動揺を誘う。彼は僕を女の子だと思ってるから……)
『却下。お前のものは俺のモノだぞ?オッサンに見せるなんざ勿体無え!』

(…あのね(汗)僕のモノは僕のだよ。
そのガキ大将的な考え方は今は忘れてくれよ。意表が突けるとしたらコレしか無いだろ?)

『……気は進まねえ……だが、その後裡門頂肘を狙うより、もっと良いのがあるじゃねえか。
優希の一番威力があるのはあの技だ。
……鉄山靠!アパートで襲われた時使った……あれなら、間違いなくオッサンでも吹っ飛ぶぞ?』


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