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仔犬のすてっぷ

第31章 激突する、LOVE IT



「私は……アンタのそーゆー、他人の気持はどうなってんのか全く考えないで他人が羨ましがる事をするところが嫌いなのよ……」

 むぎゅ〜っ☆と力一杯、僕をクマのぬいぐるみを抱きしめるかのようにハグしている幸お姉ちゃんを、明美さんはじと〜〜っ…と心底羨ましいと思いながら見ているようだった。
……明らかに顔に描いてあります。明美さん(汗)


「ま、俺もちょっとだけ焼けるけどな…このバカを止めるためには仕方あるまい?」

森川店長が霧夜を睨みながらこぼすのを霧夜も苦虫を噛んだような顔で見る。


「人間同士の愛なんてくだらないものを…ただ、粘膜同士が求め合っているだけではないか、汚らわしい……」

「確かにそうかもしれんがな…求め合う者同士、フィーリングがしっかり合った時の快楽ってのは、金では買えないものなんだぜ?」

「そんなもの、薬でいくらでも代用が利きますよ。彼女が姫にそうしたように・・・」
「そいつを…自分でっ!」

「な?!」

明美さんは懐から何かを取り出すと、それを霧夜の太腿に突き立てた。


「アンタからもらった特殊なお薬の味はどうだい!?」
「お前……これは使わなかったのかっ!?」

慌てて注射器を抜く霧夜だったが、すでに中の液体は半分くらい注入された後だ。



「得体のしれないやつから提供された薬なんて、愛しの優希に使うわけ無いでしょ?」


「この…アマぁっ!」


 鋭い蹴りが明美さんの腹に深々と突き刺さり、彼女が木箱の山へ…激しい音を立てて突っ込み、埋まる。


「あ…明美いぃ!」


幸お姉ちゃんが、悲鳴に近い声を上げる。
しかし…反応は無かった。



「・・・・・貴様……女性を足蹴にするなんて……男の風下にも置けないゲス野郎だな」


「やかましいわ!貴様のような三下に……あっ?!」

急に胸元を押え、霧夜の動きが完全に止まった。


「かはっ…流石は特殊調合された媚薬。こんなに……効き目が凄い…とはっ!」





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