人身供物の村娘
第4章 迷子と恐怖
(どうしよう…)
芋を取り終え、菊理は困っていた。
初めはそんなに外れた場所にいたつもりは無かったのだが、芋を探してるうちに山菜を見つけてしまったのが、誤算。
そのまま山菜ご飯をしようと山菜採りをしていたために、迷子になってしまったのだ。
そして、けもの道に入ってるためか目印もない。
(夕刻に帰るって言ったのに…怒られちゃう)
宛もなく歩くと、もっと深みに入るのではと怖くて動くことも出来ない。
そう考えていふと、小さな洞穴を見つけた。
(少し肌寒くなったし、休憩しよう。)
そう思って、洞穴に入って少し休憩することにした。
「黒狐様…。」
所詮私は贄だから、もう必要とされないのではと
言いつけを守れなかったことに涙が出そうになった。
すると、どこからか声がした。
「お前、黒狐の坊主のところの贄か?」
声のするほうをむくと、そこには狼のような
獣の男がいた。
「あ、はい…。」
そう答えると、舌なめずりをしながら
その男は近寄ってきた。
「あいついつも帰りたいと言ったら贄を返すからなぁ…ちょうどいい。
どうせ逃げたなら、俺がくってもいいよな…。」
にじりよってくる男に、菊理は逃げる術がなかった。
洞穴の、しかも奥の方にいたのだから後ろは壁。
逃げようにも逃げれない。
「や、やだ…。」
恐怖で声も出せない。ビリビリときていた着物が破られた時には、狼の顔は髪の毛1本という距離まで詰められて、菊理の顔に息がかかる。
気持ち悪かった。
怖い、そんな気持ちがよぎった時
何か黒い影が男を引き放した。
「グルル…。」
それは、妖狐の姿に変化してる
獣の黒狐だった。
そこで、菊理の意識はプツリと消えた。
芋を取り終え、菊理は困っていた。
初めはそんなに外れた場所にいたつもりは無かったのだが、芋を探してるうちに山菜を見つけてしまったのが、誤算。
そのまま山菜ご飯をしようと山菜採りをしていたために、迷子になってしまったのだ。
そして、けもの道に入ってるためか目印もない。
(夕刻に帰るって言ったのに…怒られちゃう)
宛もなく歩くと、もっと深みに入るのではと怖くて動くことも出来ない。
そう考えていふと、小さな洞穴を見つけた。
(少し肌寒くなったし、休憩しよう。)
そう思って、洞穴に入って少し休憩することにした。
「黒狐様…。」
所詮私は贄だから、もう必要とされないのではと
言いつけを守れなかったことに涙が出そうになった。
すると、どこからか声がした。
「お前、黒狐の坊主のところの贄か?」
声のするほうをむくと、そこには狼のような
獣の男がいた。
「あ、はい…。」
そう答えると、舌なめずりをしながら
その男は近寄ってきた。
「あいついつも帰りたいと言ったら贄を返すからなぁ…ちょうどいい。
どうせ逃げたなら、俺がくってもいいよな…。」
にじりよってくる男に、菊理は逃げる術がなかった。
洞穴の、しかも奥の方にいたのだから後ろは壁。
逃げようにも逃げれない。
「や、やだ…。」
恐怖で声も出せない。ビリビリときていた着物が破られた時には、狼の顔は髪の毛1本という距離まで詰められて、菊理の顔に息がかかる。
気持ち悪かった。
怖い、そんな気持ちがよぎった時
何か黒い影が男を引き放した。
「グルル…。」
それは、妖狐の姿に変化してる
獣の黒狐だった。
そこで、菊理の意識はプツリと消えた。