テキストサイズ

エッチに興味のあるお年頃なので

第2章 幼なじみ

 玲奈が、パーカーを羽織って出てきた。
「なぁに? ちょっとストーカー気質だったっけ?」
 不機嫌マックスで玲奈は聞いてきた。
「誰がストーカーだ。たまたま気が向いたから見学に来たんだろ。まだ続けているのはすげーなと思う。その衣装……胸の谷間がエロいな」 
「エロ大魔神に変身したの?」
「んなわけあるか! ピチピチなんじゃね?」
「とりあえず、殴られたい?」
「暴力振るう女、俺は好きじゃねぇんだけど? 口論しに来たわけじゃねぇんだ。あのさ……、今はちょっとスマホの調子悪くてラインできないから、直接伝えに来た。弁当美味かったから、気が向いたらでいいからまた作ってくれるか?」
「本当? 美味しかったんだぁ。よかったぁ。マジ、また作る! じゃ、稽古の時間だから戻るね。またね」
「ああ、またな」
 俺はバレエ教室から出て行く。
 誤解のないように言っておくが、俺たちは教室の外で話していた。


 家の明かりが珍しくついている。
「晋平、お帰りなさい。ちょうど少し前に帰って来たとこ。すぐできるからね」
「ん、ただいま。着替えてくる」
 手洗いうがいをすませ、私服に着替えてくると食卓についた。
 出来合いのおかずが何品かテーブルの上にところ狭しと乗っている。
 ご飯と味噌汁だけは事前に作って行ったらしく、それはきちんとよそられていた。
 茶碗なども、幼い頃から使っているからかなり年季が入っている。
 母親と同じ時間に食事するのも、かなり久しぶりだ。
「学校生活はどう?」
「まだ始まったばかりでよくわかんね。周りはセレブの子供しかいないみたいだし、くそつまんない三年間になりそうだと思ってるぜ」
 早くも既製の制服ではなくギリ校則に触れない程度の俺仕様に作り直した制服を着て行っている。
「恋人でも出来たら楽しくなると思うよ。玲奈ちゃんなら釣り合いそうだけど。こればかりはね……。ごめんね、いつも傍にいてあげられなくて。しばらくしたら、お父さんが一時的に帰国してくるって」
「ふーん。母さんも、また忙しくなんだろ?」
 レンチンしたおかずを咀嚼しながら聞いた。
「そうね。隆三さんの支えになってあげたいから……。晋平は、デザイナーは目指してないの?」
「今は考えてない。興味はあるけど、やりたい事あるし。ごちそうさま」
 味噌汁で流し込むと、空になった食器を流しに水を張って置いておく。

エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白いエモアイコン:共感したエモアイコン:なごんだエモアイコン:怖かった

ストーリーメニュー

TOPTOPへ