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エッチに興味のあるお年頃なので

第2章 幼なじみ

 適当に掃き掃除とかしてりゃ何も言って来ないだろ。
 幼稚園からずっと、掃除と無縁でここまで来たのに、高校生になって教室の清掃とか馬鹿じゃねぇの? って思う。
「高杉君、あの……」
「あ゛?」
「手を動かして。私も塾あるけど当番だから、仕方なくやってるし。みんなと同じ事して」
 一瞬、怖じけづいても俺に話しかけてくる度胸がすごいから褒めてやる。
「わかった。もう指図してくんな」
 女子が机を運び出すのを見ながら真似る。
 てか、今時、塾なんて行っている奴いるんだな。
 俺も、耕助も玲奈も塾には行っていない。
 あの二人はどうか知らないが、俺は自力でテストに臨んでる。 
 どうでもいいよな、この話。

 協力するのも苦手な俺が協力してやったから教室も元に戻った。
 それを見届けて俺はさっさと教室から出て行く。
「あの……」
「なんだよ? 塾あるなら話しかけないで、今すぐ行ったらどうだ? 何か説教あるならちゃちゃっと言ってくれ」
 俺が帰ろうとする後ろ姿に声かけてきたちっパイ系女子は、小さくため息ついてからこう切り出した。
「逃げ出さずにやってくれてありがとう。じゃ、私は塾あるからこれで」
「別に礼を言われる程でも……」
 俺は口ごもる。

 ちっパイ系女子とは途中まで、方向が一緒だったが塾はこっちだからと、交差点を右に曲がっていった。
 俺は、玲奈の様子を見に彼女が通うバレエ教室に立ち寄ってみる。
 幼稚園からだから、かなり長く続けている事になる。
 すげーな、あいつ。
 思い出しながら歩いて行くと、アンティーク調の看板が見えてきた。
 何となく見覚えがあって、ビルの立て看板に目を移せばそこにはいまだに存在していた事を確認して、場違いだと知りつつもバレエ教室に向かっていく。
 ドアの小さな窓から中を覗くと、バレエ衣装に身を包んだ玲奈の姿があった。
 豊かな胸が躍るたびに、ゆさゆさと揺れているのがやたらエロく見えた。
「あの……、生徒希望ですか?」
「いえ、友達をちょっと……」
 部屋から出てきた講師らしき女性に怪訝な顔をされる。
 そりゃそうだ。
 男子禁制的、女の花園な場所に来て、顔を覗かせてたら変に思われる。

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