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なんて言えばいいだろうか。いや，その前にどんな顔で彼に接すればいいのだろうか。不安と心臓の鼓動が嫌でも高まっていく。

「はぁーー。」
一呼吸して，クーラーの効いた部屋に戻り，自分の机へと向かう。

ﾄﾝﾄﾝｯ
後ろを振り返ると，
「３年A組相馬春樹です。失礼します。」という声とともに彼がドアの前に現れた。問題集に筆記用具を持ち，爽やかな表情で微笑んでいる。

ﾄﾞｷｯ
緊張して顔が強張る。何をしてるんだろう。しっかりしろ私。

「待っていたわ。そこに座って。」
部屋の中央にある長テーブルの四つ端の一角の椅子を勧める。

　彼が丸椅子を引いて座るのをじっとみつめる私。眉毛が綺麗に整っていて，一本一本の長い睫毛に気をとられてしまう。

　ポスターで見る外国の美少年にこんな自然の美しさに目を引かれたことはあるが，目の前に現実として存在するのだと実感させられた。思わずため息がでそうになる。

　ふと彼の視線に気付き，同じ一角の斜めに慌てて座った。
「それで，どの問題が分からないのかしら。」