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私淫らに堕ちます

第5章 ホテル②

「栞入れて欲しい?」

 クンニを止めて,耳元で囁く彼の声は,悪魔の囁きだ。決して逆らうことができない。

 すべてを捧げた従順な者だけが,快楽というご褒美をもらえることができる。もう少しでイクというところでお預けを受けた体が,拒めるわけがない。

それに,純粋に彼と結ばれたかった。どうしてこんな気持ちになるのか自分でも分からない。

 愛しているのかと言われればそれは違うだろう。ただ,彼に惹かれ,彼を心の底から求めているのだ。それは,媚薬などどというものがなくても変わらない。

「お願い。入れて。」

パーーーンッ

 落ち着き始めたお尻に再び痛みが走った。すると体は条件反射のように強烈な快感に見舞われる。まるでパブロフの犬だ。

 スパンキングを受けることによって,最高に気持ちいいと錯覚させられ,作り替えられようとしている。

「んんんんっっ・・・・・。」
ガクガクガク
 背中が波を打つように揺れ,腕が痙攣によって四つん這いが維持できなくなる。

 その中,お尻のヒリヒリとした焼け付くような感覚が心地いい。ジーーンと痺れるような余韻にすがりたくなる。だが,軽い絶頂は,さらなる大きな快楽を求め始め,せっかくの心地よさを飲み込んでいく。

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